2019/10/23
10月22日(火)、修学旅行2日目、即位の礼の休日ですが、本日も盛りだくさんの見学となります。天気を心配しましたが、朝ホテルを出ると台風一過の快晴です。
まず最初は、名古屋市内にあるトヨタ産業技術記念館を見学。今や世界最大の自動車メーカーの一つのトヨタですが、案外知られていないかもしれませんが、その企業としての出発点は繊維機械メーカーでした。そのため、この記念館は、前半が繊維機械に、後半が自動車に割り振られています。
トヨタの創業者の豊田佐吉は、いわば明治日本の発明王であり自動織機の開発に顕著な業績を残しています。前半の繊維機械のセクションではトヨタ製品のみならず、産業革命期に英国で発明された様ざま紡績機械や織機の実物(複製を含む)も展示しつつ、糸を紡ぐこととその糸を織ることという繊維工業の二つの重要な要素の今日に至るまでの機械化・自動化の過程を、たいへん分かりやすく説明してくれています。主要な機械にはスタッフがついて実演をしてくれるのですが、生徒は興味・関心をもって見学していました。高校の世界史でおなじみのジェニー紡績機や力織機を実際に見ることができたのは収穫だったはずです。
後半の自動車セクションはあいにくと改装中で、展示の量が通常の2/3程度になっていましたが、トヨタが生産してきた往年の人気車が数多く展示される一方、車生産の技術についての説明もあり、クルマが好きな生徒には興味深い内容でした。
産業技術会館見学の後はバスで奈良県の斑鳩に向け、休憩を含め約2時間45分の移動です。昼食はバスの中で、味噌カツ弁当を食べました。
斑鳩に到着し、今回の修学旅行では最初の神社仏閣となる法隆寺の見学です。日本最古の仏教寺院の一つであり、世界最古の木造建築とも言われ、日本のユネスコ世界遺産第1号です。今年は南大門の修復も終わり、すっきりとした姿です。生徒たちは、まず西院伽藍の五重塔、大講堂、金堂を順に見学しました。中でも、金堂の釈迦三尊像の前では時間をかけてじっくりと見る生徒がいました。
西院伽藍を出た所には、名高い正岡子規の「柿食えば・・・」の句碑が立っています。結核を悪化させて日清戦争の戦地視察から帰国し、療養をかねて故郷の松山で親友夏目漱石と俳句三昧の2か月を過ごした子規は、上京する途上奈良に立ち寄りこの句を詠みました。奇しくも、昨年の秋季校外学習の復習になりました。
その後は、大宝蔵院で法隆寺の誇る宝物を見学。残念ながら夢違観音は現在ロンドンの大英博物館に行っていて、かわりにレプリカが置かれていたものの、玉虫厨子や百済観音は生徒に強い印象を残したようでした。大宝蔵院からは東院伽藍に移動、夢殿では幸運にも今日から秋の特別開扉が始まった救世観音を拝観することができました。
法隆寺を後にすると、車窓から左右に斑鳩の名古刹の三重塔などを眺めながら、奈良市に向けて北上です。昨年見学した薬師寺を左に見ながら、今年はその先の唐招提寺を訪れました。鑑真和上ゆかりの、どことなく唐の雰囲気の感じられるこの寺で、まずは大きな薬師如来、盧舎那仏、千手観音を、その後戒壇院の跡や鑑真の廟を見学しました。生徒たちは、天平時代の息吹を感じることができたでしょうか。
天候にも恵まれ、ほぼ予定通りに日程を消化し17:30は奈良のホテルに到着。無事に2日目の行動を終えました。明日は東大寺などの奈良の寺院の見学を続け、午後からは京都に移動するという長い1日になります。今晩はゆっくり休んでほしいところです。