その他
●第27回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
日 時: 2025年10月11日(土) 15:00~16:30
※一部で10月18日(土)開催とお伝えてしていましたが、10月11日(土)が正しい開催日です。申し訳ありません。
講 師: 橋本 雄 先生 (北海道大学教授)
演 題: 『日明勘合の実像を求めて』
<教科書・新書・選書の著者から直接話が聞ける講座>を目指して2023年に開講した<駿台歴史講座>、2025年度第6回、通算27回の講座を10月11日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回の対象は中世で、テーマは『日明勘合の実像を求めて』、講師は橋本雄先生(北海道大学教授)です。
日明貿易については、よく知られているようで、実はかなり不確かな面も多く、おそらく高等学校の日本史の授業にもある程度の混乱があることは否定できないかもしれません。明朝のやや特殊な対外政策や足利義満の対外政策の背後にある本心の部分など、誤解や憶測が語られることも少なくなさそうです。今回の橋本先生の講座では、このあたりを最新の研究成果により整理し、軌道修正して頂くことになりそうです。ふるってご参加頂ければと思います。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。
- 講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
最初に、これまで現存が確認されていない日明勘合について、その形状や大きさなどについて追究します。勘合の実物を復元しようというチャレンジです。
また、「勘合符」という言葉が近世日本の造語であり、呼称としてはふさわしくないことを確認します。結論としては、中国明朝が作った文書なので、中国流に「勘合」とのみ呼ぶべきなのです。そして、巷間に流布している言説――勘合は倭寇を排除するために導入された――が正しくないことも指摘します。日本と中国と、それぞれ勘合に期待する役割が異なっていたことも併せ解明していきます。
ついで、日明勘合が実際にどう使われたかの話題に移ります。勘合には、何等かの文面が書き込まれたのですが、それはいったいどんなものであったのか。また、常にそれが書き込まれたのか?(あるときから勘合とは別の紙――「別幅」――が用意されることになるのですが、それはいつからのことなのか) そして、日本側が遣明使を送るときには「本」字勘合を使ったのですが、「日」字勘合は果たして使われたのか? これらの問題について考えます。
一方、「勘合」とは、突き合わせて検査するというのが字義です。つまり、勘合と突き合わせる側の控え簿「底簿」についても併せ考えることが必要です。勘合の底簿はいったいどんなかたちで、どれほどの大きさだったのか。
最後に、「勘合」の字義の拡大について触れながら、現代社会とのつながりを念頭にまとめます。
- 橋本 雄 先生 略歴
1972年生まれ
1990 筑波大学附属高等学校卒
1996年 東京大学文学部卒、 2004年 同大学院人文科学研究科博士課程修了
01年 独立行政法人国立博物館 九州国立博物館設立準備室 研究員 ~05年まで
05年 独立行政法人国立博物館 九州国立博物館 学芸部企画課 研究員 ~07年まで
07年 北海道大学大学院文学研究科(2019年度より研究院)准教授
20年 同文学研究院 歴史学分野 教授
04年 博士(文学)・東京大学
- 主な著書等
<単著>
『中世日本の国際関係 東アジア通交圏と偽使問題』吉川弘文館 2005
『中華幻想 唐物と外交の室町時代史』勉誠出版 2011
『偽りの外交使節 室町時代の日朝関係』吉川弘文館(歴史文化ライブラリー)2012
『NHKさかのぼり日本史 外交篇[7]室町 “日本国王”と勘合貿易 なぜ、足利将軍家は中華皇帝に「朝貢」したのか』NHK出版 2013
<共著・共編ほか>
『地図とデータでよくわかる日本史』 ジェイティビィパブリッシング 2013
『日明関係史研究入門 アジアのなかの遣明船』 勉誠出版 2015
◎<第27回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。 ◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:10月9日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |
◎2025年度のこの後の予定