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●第28回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
日 時: 2025年11月29日(土) 15:00~16:30
講 師: 村 和明 先生 (東京大学准教授)
演 題: 『再考・近世日本の秩序と安定 ―近世朝廷と豪商三井家の確立過程から』
<教科書・新書・選書の著者から直接話が聞ける講座>を目指して2023年に開講した<駿台歴史講座>、2025年度第7回、通算28回の講座を11月29日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回の対象は近世で、テーマは『再考・近世日本の秩序と安定 ―近世朝廷と豪商三井家の確立過程から』、講師は村和明先生(東京大学准教授)です。
近世は、もちろん古代や中世に比べれば格段に新しい時代であり、従って史料も多く、その結果すでに多くが語りつくされたようなイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。はたしてそのイメージは正しいものなのでしょうか。明治期以降の日本史の研究の中で、歴史学が描く近世なり江戸時代の姿はそれなりに変化をとげてきましたが、今回の村先生の講演では、朝廷や三井家といったこれまでのいわば脇役にライトを当てることで、ある種のパラダイムシフト的なショックを私たちに与えてくれそうな予感がします。刺激的な講座になるかと思いますので、ふるってご参加頂ければと思います。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。
- 講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
本講座は、近世日本における安定した秩序の持続を、従来やや脇役であった、朝廷と豪商三井家という異質な2つの存在から捉え直してみよう、とする試みである。
日本における近世は、周知のように平和が持続し、政治の安定のもと経済・文化が発展した、日本史上稀な時代であった。こうした安定・持続の実現は、国際環境、幕藩関係、近世農村、といった領域から説明されることが多い。これに対して朝廷は近年まで、幕府に抵抗し抑圧された存在として、また豪商三井家は、経済発展の新段階の象徴として語られてきた。両者ともに、武士・農民を根幹とする近世社会の骨組みを、どちらかといえば脅してゆく存在であり、明治維新以降に飛躍した存在と見なされてきた、といえよう。また、この両者をつなげて論じよう、とされることはほぼなかった。
さて講師は、近世の天皇から研究を始め、就職先の事情で、三井家も研究するようになり、ほぼ同時代にそれぞれが独自の苦闘のなかで、持続的に機能する組織を作り上げた過程を、別個に明らかにしてきた。そして近年、この両者は相当異質だが、抱えた具体的な課題や歩んだ過程には共通点があり、それは偶然ではないのでは、と考えつつある。本講座では、従来あまり知られていない、この両者が同時代に組織を作り上げた具体的な過程を概観し、その過程が組織に与えた性格を考えることを介して、近世日本の安定・持続を捉え直してみたい。
- 村 和明 先生 略歴
1979年 愛知県生まれ
2002年 東京大学文学部歴史文化学科卒業
10年 同大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了
10年 公益財団法人三井文庫 社会経済史研究室 研究員、 15年同主任研究員
18年 東京大学 大学院人文社会系研究科 准教授
11年 博士(文学)・東京大学
- 主な著書等
<単著>
『近世の朝廷制度と朝幕関係』東京大学出版会 2013
<共著・共編ほか>
『列島の平和と統合: 近世前期 (日本近世史を見通す 1)』 吉川弘文館 2023
『伝統と改革の時代: 近世中期 (日本近世史を見通す 2)』 吉川弘文館 2024
『皇位継承: 歴史をふりかえり変化を見定める』 山川出版社 2019
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。 ◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:11月27日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬・松井
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◎2025年度のこの後の予定






